終戦記念日に思うこと

今年も終戦記念日を迎えました。敗戦してから70年が経過した今年は、安保法案で内閣支持率が下がった中での安部総理の談話となりました。結論から言って左右両方の顔を立て、なおかつ中国韓国にも配慮したバランス感覚に優れた談話だったのではないかと思っています。安部総理の本心はわかりませんが、一国の総理である以上、個人の信条はさておき日本の未来の舵取りを考えて発言してもらわないといけません。

そういう意味では、当時の植民地支配をやんわりと非難し、自衛のためとは言え戦争に進んだのは間違いだったこと。欧米との競争の中でしたこととは言え、アジア諸国に対しては侵略であったことを認めて反省するというのは非常にわかりやすく納得のいく談話だったと思います。

談話の中にあった「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」という言葉に安部総理の本心が出たような気がします。現在の国際情勢と国内世論に配慮し、自身の信条を封印した中でこの本心だけはどうしても談話に含めたかったたのだと推察します。

さて、支持率低下の要因となった安保改定ですが、私は当初目指していた憲法改定から憲法解釈の変更で進めるのには反対の立場です。一方で手続きを無視したとか、強引というのは少し違う気がします。昨年末の解散総選挙もそうですが、選挙で第1党に選ばれた自民党とその総裁にはそれだけの権限があることは法で定められています。ということは、次の選挙で我々が投票によって意思を示さないといけないのであって、デモが増えることよりも投票率が上がることの方が何倍も大事かと思います。

安部総理が改憲主義であることは衆議院選挙の前から周知の事実ですので止めるなら、これからデモをするのではなく昨年の選挙で答えを出しておかないといけないと思います。デモに意味があるとすれば、世論を味方につけてこのままでは次回の選挙が危ないと思わせることをターゲットにすべきでしょう。そういう意味では政治家に圧力をかけるのではなく、国民の支持を集めるような活動に集中する方がいいと私は思います。

経済政策を優先して国民の支持を集めてから増税や国防といった、反対の出る政策に着手するのが歴史上、権力を持った政権の常套手段ですので、この辺りは、有権者の方が現政権はこれからこういう進め方をするだろうということを事前に見抜いておく必要があると思います。そういう意味では、今回の談話は良い内容でしたが表現を選んだ中で安部総理の本心がどこにあるのか、これからどういった政治運営をしていくのかをしっかり見ていくことが、我々有権者の責任ではないでしょうか。私個人としては次世代に謝り続ける宿命を背負わせてはならないという本心は共感できます。

安保法案については法案が戦争につながるのではなく、太平洋戦争の時のように国民が政府のプロパガンダに惑わされて戦争が唯一の正しい道と我々国民が思い込んでしまい、戦争を肯定する、或いは止められない政権を成立させてしまったからだと思っています。なので法案そのものよりも国民が理性的によく考えて判断した投票を行うことが大事ではないかと思います。一度選挙結果が出ればその政権が法律で定められた範囲であれば次の選挙まで国民は止められないという投票権の重みを有権者は肝に銘じておかないといけないのではないでしょうか。今、デモをされている方全員が次回必ず投票に行ってくれること、次回の投票率は確実に上がってくれることを願うばかりです。

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