ギリシア選挙の後

チプラス首相が国民投票で勝ったにも関わらず、EUの支援を受けるために緊縮策を受け入れることを表明しました。

一国のリーダーとして、やりたくなくてもやらなければならない決断を下したことは評価して良いのではと思います。ただ、それならなぜ国民投票をしたのかということになりますが、チプラス首相は国内の交渉と国外の交渉を同じように考えていたのではないかと推察します。

例えば、沖縄では基地の県外移設は県民の意思であるという主張のもとに沖縄県が日本政府に抵抗しています。これは国内問題なので日本政府としても日本国民である沖縄県民の意思は無視できないことになります。よって翁長知事は民意の後ろ盾を背に、日本政府と強気の交渉ができるわけです。

一方でギリシアの場合は、EUは統一国家ではなく独立した国同士の連合になるのでチプラス首相がいくらギリシア国民の意思と言っても、他国の国家元首からすればEU国民としてギリシアの人々の権利と生活を守らなければいけないという話にはならないからです。

結局、ギリシア国民の意思を示すことはEU側の妥協を引き出す武器として全く機能せず、チプラス首相は二枚舌の汚名を被ろうとも一旦、要求を受け入れる約束をしてEUから資金援助してもらうしかありませんでした。これにより債務不履行は免れしたが、今度はギリシア国内で大規模なデモが発生という状況です。

なんだか、民主党の鳩山首相が沖縄基地の移設問題で右往左往していたことを思い出します。民主主義である以上、民意を尊重しなければなりませんが、やらなければならないことは反対されてでも断固やりとげるリーダーシップがなければ国も組織もガタガタになるという良い教訓になったなと感じる今日この頃です。

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