ギリシャ選挙

先週の日曜にギリシャで世界経済の行方を左右する選挙が行われました。結果が出てから言うのもなんですが、やはり緊縮財政派が勝利して世界がホッとすることに成るだろうなというのが私の予想でした。

TVや新聞報道では真面目なドイツ人に対して働かずに給与を貰いたい公務員天国のギリシャという正にアリとキリギリスのような表現が横行していました。今回の選挙でも緊縮財政が嫌なギリシャ人は世界にどれだけ迷惑をかけようとも、逆に道連れにして破滅への選択をするのではといった憶測が飛び交っていました。

世の中には性善説と性悪説がありますが、選挙前の予測では性悪説が主流を占めており、特番でもギリシャ人は迷惑だという発言を毎日聞くような状況だったと思います。私は正直、違和感を感じていました。人間も生物の一種なので誰でも自分の身を第一に考えることは普通ではないだろうか。日本でも恐慌では銀行解約が相次ぎ資源外交圧力をかけてきた欧米と戦争したりしてきた歴史があります。

ドイツとギリシャではどちらが良い悪いかではなくて経済競争の中でドイツが強者でギリシャが弱者だったということだと思います。ドイツも第一次世界大戦で巨額の賠償金のせいで国民が疲弊した時は、ヒトラーのような独裁者に政権を委ねて他国への侵略やユダヤ人迫害という極端な方向に走りました。もちろん貧しくても一生懸命に働くことでギリシャが今よりましな状況を作り出すことはできると思いますし、そうすべきではあります。一方で日本でも生活保護の不正受給があるように、真面目に働いても困る人を守るはずが、働かない方が割が良いと気づけばそれを選択する人がいるのは国籍も民族も関係ないように思います。

今回の選挙結果はギリシャ人が世界に迷惑をかけないようにとかEUの言うことを聞こうと思ったのではなく、ユーロ離脱をすればよりひどい目に遭うということに気がついた結果だったかと思います。僅差でしたので、まだまだ本当にひどい目に合わないと気づかない方もたくさんおられるのが現実ですが、最悪の事態を回避するために痛みに立ち向かおうとする人が過半数いたことでギリシャは救われたかと思っています。

日本でも原発稼働、消費税、沖縄基地、TPPと色々な問題が山積みです。ただ、どの問題も反対派が存在しますが反対の結果、中止した先にある未来について責任を負わない反対が多いことが問題かと思います。日本でも政権交代が起きましたが、野党時代に反対していた基地問題が、いざ与党になって対応不可能なように、反対の旗を揚げることはできても、賛成よりも良い結果をもたらしてくれる反対派というのは殆ど無いように感じます。

日本では小泉元総理や橋本大阪市長のようなカリスマが圧倒的支持を得た時だけ、改革が進むような気がします。でも本当は今回のギリシャのようにカリスマ不在で第一党党首が頼りなく見える方が、国民自らが考えに考えた結果としリーダー個人ではなく正しい方向性自体を選択するような形が民主主義の理想かと思います。

そういう意味では、日本でも消費税増税は党内分裂や大連立とかで揉めてる場合ではなく解散総選挙で決めるのが一番いいのではないでしょうか。

もちろん我々日本国民が候補者のカリスマ性や魅力ではなく、日本の未来に対して責任ある政策(たとえ自分自身には痛みを感じることでも)に一票を投じれることが必要ですが…….

ギリシャほど切羽詰まる前にそうなれることを願って今回は終わりたいと思います。

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