トランプ大統領1

11月8日の大統領選挙で共和党のトランプ候補が当選されました。多くの方と同じく、私もクリントン候補が勝つと思ってましたので正直驚きました。暴言王と呼ばれ、アメリカの知識人の間では狂人扱いされていました。私のアメリカ人の友人も「ありえない」と言っており、選挙前の支持率でもクリントン候補が勝つだろうと予想していました。

選挙が終わってからメディアの分析が始まり、なぜ今回のように予想と大きく異なる結果になったのか全容が見えてきました。まず、クリントン候補を指示していたのは西海岸東海岸沿いの富裕層や高学歴層であり、定職についており生活に困窮していない層が多かったことです。この方達は当然、衣食足りて礼節を知っているので暴言を連発するトランプ大統領より政治経験豊富なクリントン候補を指示していました。

一方で内陸には、メキシコ移民による安い労働力に職を奪われて生活に困窮する白人層が多かったこと。こちらは選挙前からわかっていたことであり、この層がトランプ大統領を共和党代表にまで押し上げたことに疑いの余地はなかったと思います。それでも、移民を廃絶する発言を繰り返すトランプ大統領に対してはヒスパニック系、イスラム系の住民が反対票を投じるので当選は不可能だろうというのが選挙前の予想でした。

しかし、その分析は間違っていたとのことです。今回はメキシコ移民に職を奪われた製造業の労働者だけでなくインド移民に職を奪われたIT系の白人技術者も移民反対側に回りました。さらに驚くことにメキシコ移民ですでに成功した人達が、新たな移民が次々に流入することでせっかく築いた自分達のテリトリーが脅かされることを恐れてトランプ大統領に投票したという分析です。

8年前に民主党のオバマ大統領が当選した時は「アメリカは移民の国であり、もはや白人の国ではない」と囁かれましたが、今年は共和党のトランプ大統領は「白人がアメリカを取り戻した」だけでなく「今のアメリカ人を守るために、未来の移民を制限する」という立場で勝ったと言えるのではないでしょうか。

アメリカのS&P500企業のCEOの平均所得は、労働者の平均所得の300倍を超えるそうです。これだけの格差があってもCEOが労働者の雇用を守るという姿勢を見せていれば、労働者もまだ我慢できたかもしれません。ところが会社は黒字であるにも関わらず、さらに株価を上げるために白人労働者を解雇して安い移民労働者と交替させるようなことをすれば、いかに暴言が多くとも、アメリカ以外のことは考えないという発言があっても、自分達の味方になってくれる人を支持することは当然だったということなのでしょう。

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