悲願のベスト8

週が明けて台風19号の被害が、徐々に明らかになって来ました。
70人以上の方が亡くなられたとのことで、改めて亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
また、行方不明の方のご無事と被災された方々の1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

さて、またラグビーの話題で恐縮ですが、おつきあいください。
50年に1度の台風で開催が危ぶまれた13日夜のラグビー日本VSスコットランドの試合は、関係者の皆様が土曜の夜からスタジアムに泊まり込んで開催に向けて最大限の努力をしてくださった結果、無事に行うことができました。

結果はご承知の通り28−21で日本の勝利となりました。第1回ワールドカップは20年前、私がまだ高校でラグビーをしていた頃でしたが、当時の日本代表は1勝できるかどうかというレベルでしたので、ラグビー強豪国の一角であるスコットランドに勝って決勝トーナメントに進むシーンを目の当たりすると本当に万感の思いです。

後半最初のトライで28−7にした時は、このまま勝てると思いましたが、その後、スコットランドの怒涛の反撃で28−21まで迫られた時は本当に手に汗握りながら早く時間が経ってくれと祈っていました。
残り10分はずっと何かを握りしめたり、スクラム組んでいる時は体重が前のめりになり、テレビ画面の向こうに念を送っている自分がいました。
不思議なもので、一観客の自分が興奮したり、祈ったからと言って勝敗になんらかの影響を与えるはずはないのですが、心から勝ってほしいと真剣に思っているとジャパンが相手ゴール前に迫っている時など
は気がつけば隣のクッションを掴みながら前の机を押し込んでいまいた。

ラグビーにはスクラムというプレイがあります。一番前に3人並んで味方同士ジャージをつかんで一かたまりになって相手を押します。
運動会の綱引き、押し相撲などと同じく、見ている方もつい力が
入ってしまうプレイです。

私は高校時代は、この一番前のポジションであるプロップをやっていました。最後にスクラムを組んだのは18歳ですからちょうど30年前になりますが、後ろの味方から伝わってくる推進力が自分の背骨を通って
相手から来る圧力と拮抗する感触が鮮明に蘇ってきました。

80分の激闘は、ジャパンの勝利に終わりました。もし勝ったら、感動して万歳を叫ぶかもと思ってましたが、ホッとした安堵感と心地よい疲労感に包まれた私は椅子に座り込んだまましばらく動けませんでした。

この試合、勝ったという結果以上に開催できたことが何より素晴らしかったと思います。勝負は時の運もありますので、一歩間違えば勝てなかったかもしれません。
勝敗がどちらに転んだにせよ試合が開催されなければ、こんなに感動する筋書きのないドラマを観ることはできなかったのですから。
台風の中、スタジアムに泊まり込んで開催に尽力してくれた全ての大会関係者の皆様、素晴らしい試合を観せてくれて本当にありがとうございました。心より感謝いたします。

一方で試合が開催されなかったチームもありましたが、フィールドの外で感動のドラマを観せてくれました。
試合が中止になり、予選敗退が決まったカナダ代表は台風の翌日、試合開催予定だった釜石で泥清掃のボランティアに取り組んでくれました。
対戦相手のナミビアもファン交流会を開催して市民を元気づけてくれました。

勝敗を競いあうスポーツである以上、結果は大事ですし、今日のラグビー人気も日本代表の強さがあってのことですが強さ以外にも大切なことがあることをこの両チームは教えてくれたような気がします。

次は準々決勝でジャパン対南アフリカの決戦です。
4年前の奇跡の再現を祈って、日曜の夜が今から楽しみです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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