選挙2

東京都知事選の選挙運動が始まりました。

当初は俳優の石田純一さんが出馬するとかしないとかで話題をさらいましたが、最終的に野党候補は鳥越さんになりました。しかし、鳥越さんはスキャンダルも問題になっていますが、それよりも街頭演説に回る機会が少なく、この暑い夏の時期に、屋外での選挙運動に耐えれる体力がない可能性があることの方が問題視されています。テレビ討論会においても政策論争では旗色が悪いので欠席しているのではと言われている状況です。

選挙にはどうしても人気投票の一面があって、国会議員においてもタレントや元スポーツ選手が立候補し、当選するケースはたくさんあります。私の地元は大阪ですが、橋下知事が初当選した時にはやはりテレビに出演している人は強いなという声が多かったです。ただ、賛否両論はあるものの橋下さんは政治家としては天才的だったと私は思っています。どんな相手も論破してしまう弁舌の切れ、頭の回転の速さ、敵を作ることを恐れずにやるべきことをやる勇気など他の人にはできないことを実現する突破力にあふれていました。最後は大阪都構想の是非をめぐる市民投票で敗北して、大阪市長を辞めることになり大変残念でした。それでも次の世代を担う若い世代では賛成が多かったこと、後継の市長選挙でも大阪維新の会の吉村さんが当選したことからも、辞職してまだ影響力を残す稀有な存在だったことを証明しました。惜しい人を政治の世界から引退させてしまったなと改めて感じています。ただ、振り返ってみると政治家としての橋下さんが、これだけ活躍する能力を持っていたということを、当時の大阪府民はどれだけ見抜いて投票したのでしょうか。確かに、テレビでコメントする橋下さんは弁舌の切れ味が鋭く、初当選の選挙活動においても非常に上手に演説されており、この人に投票しようと思わせる雰囲気を持っていたとは思います。それでも政治家としての実行力、リーダーシップをあの時点で見抜けていた方は私も含めて殆どいなかったのではないでしょうか。

橋下さんと同じく「行列ができる法律相談事務所」に出演していた丸山弁護士も国会議員に当選しました。しかし、丸山さんの方は日本がアメリカの52番目の州になったらどうか、もとは奴隷だった黒人が大統領になったなど政治家としての資質が疑われる発言を連発してしまいました。もちろん橋下さんも失言はありましたが、一度発した言葉には責任を持つという覚悟が丸山さんとは段違いの差があったように感じます。

前回の投稿で、高校までの勉強で社会について学んだ直後の方が選挙するタイミングとしては良いのではないかと書きました。ただ、私は学校では単に知識を学ぶよりも、民主主義という自分達が政治家を選ぶことができる政治体制がどれだけ、価値のあるものなのか、過去に誤ったリーダーを選んだ国がどのような結果になったのかを真剣に学ぶべきなのではないかと思います。タレントや有名人の候補者が多いのは我々国民がそういう人に安易に投票すると思われているからでしょう。シンガポール等では投票しなければ罰則で選挙権を失うそうです。日本でその罰則がないのは、もしかしたら投票率が低いままの方が自分自身が当選しやすいと政治家が思っているからかもしれません。投票権がどれだけ大切な権利であるか、どんな人をリーダーに選ぶべきなのかを義務教育の場でしっかり教えるべきではないかと思っています。

その3に続きます。

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