別れと出会い

 気温が下がり、冬らしくなってきました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。

 さて、今回は家庭の事情で退職しなければならなかった社員のお話を書かせて頂きます。当社の経理担当のAさんは元銀行員で正確かつ緻密な仕事ぶりでとても頼りになる存在でした。しかし、Aさんのご両親が両方とも入院することになって介護のために退職することになりました。後任で入ったBさんは前の会社で経理を経験されていましたが、会社が変わるとシステムも変わりますので、引き継ぎは簡単にはいきませんでした。

 Bさんはとても真面目な頑張り屋さんでした。調子はどうかと尋ねると「今はまだまだですが頑張って必ずできるようになります。」といつも力強く前向きな答えが返ってきていました。頑張り屋のBさんなら乗り越えてくれると思っていたのですが、ご家族が病気で入院され、看病しなければならいことになりました。責任感の強いBさんは、今自分が退職すると同じ職場の仲間に迷惑がかかると思って必死で家庭と仕事の両立を目指そうとしましたが、やはり家族との時間を大切にしたいとのことで退職を決意されました。

 正直なところ、他の社員に大きな負担をかけることになるのでBさんには残ってもらいたかったのが本音でした。しかし、今のBさんにとっては職場で頑張ることよりもご家族の側にいることが一番大事だと判断し、引き止めることはしませんでした。

 社員にはBさんが退職することについて「人生で大切なことはやはり、それぞれの家族と過ごす時間です。Bさんとはお別れになり、仕事の負担だけが残りますが家族が病気になることは誰にでもあることなので、今はBさんを支えてあげることで、自分や家族が入院して長期で休まなければならなくなった時に助け合えるような会社、人間を目指しましょう。」と話しました。ありがたいことにBさんの抜けた穴を埋めるべく、全社員が前向きな意思表示と行動を示してくれました。

 先に退職したAさんも責任感が強く、ご両親の介護が大変な中でBさんへの引き継ぎがまだ不十分だということで退職を数ヶ月延期して頑張ってくれました。看病と並行して仕事を続けよう努力してくれたBさんも責任感が強い行動を示してくれました。2人の頑張りは、信頼残高として当社社員の心の中にしっかりと残っています。Aさん、Bさんともに次の職場でもきっと信頼される存在になっていると思います。お二人がこれからも良い人生を送ってくれることを心より願っています。

 別れがあれば、出会いもあります。Aさん、Bさんが去った今、当社では入社1年目の新卒社員と入社1ヶ月目の中途採用社員が一所懸命に頑張ってくれています。

 入社1年目のCさんは少しだけ他社で働いたことがあるので正確には新卒ではありませんが、学校を卒業してまだ1年のフレッシュな新人です。経理だけでなく、会社の業務全般を1から覚えなければならず苦労していますが、明るく前向きな性格で頑張ってくれています。素直で責任感が強く、残業も嫌な顔せずに一所懸命に取り組んでくれているので、周囲も積極的にサポートをして良い循環を生み出しています。

 11月に入社したDさんは、まだ小さいお子さんがおられるのでパート勤務での採用となりました。Dさんは「皆さんの足を引っ張らないように頑張ります」と謙虚な言葉どおり責任感を持って取り組んでくれています。まだまだ不慣れで苦労していますが、苦労しながら頑張っている人が職場にいることは、会社にとって良いことだと私は思います。

 同じ人が慣れた仕事をずっとやっているとどうしても職場にマンネリ感が漂いがちですが、新入社員の二人が苦労しながら、一所懸命に経理の仕事に取り組んでいることは職場にも良い緊張感を与えてくれています。本人たちは必死でしょうが、会社としてはその存在自体が良い刺激になっていると感じています。当社では正社員にこだわって、これまでパート雇用はほとんどしていなかったのですが、Dさんの入社は子育て中の優秀な女性に働く機会を提供することも重要だなと気づかせてくれました。

 CさんDさんはどちらも女性ですが、他にも男性の新入社員がおりますので、彼らについてはまた別の機会に書かせて頂きたいと思います。

 当社は28日で仕事納めですが、最終日まで新しいメンバーと共にベストを尽くしてお客様にご満足頂ける「製品・サービス」の提供に取り組んでまいりますので引き続きよろしくお願い致します。

 

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